ホロフォニクスとの出会い。
YoutubeでASMRの動画を探していると、関連動画にバイノーラルや3Dサウンドなどのワードが入ったものが表示されます。それを辿っていくと、目に入るホロフォニクスという単語。ホロフォニクス?何それ?と思って再生してみると、その臨場感あふれる音に思わず息を呑んでしまいます。
私はこんな感じで聞き始めるようになりました。でも、ホロフォニクスについては全然知らないままだったので、今回ちょっとだけですが調べてみました。
ホロフォニクスとは。
1980年代にウーゴ・スカレーリさん(アルゼンチン)が開発した、立体音響を録音する技術です。ホログラフィー(Holography)という技術を音に使ったのがホロフォニクス(Holophonics)で、画像に使ったのがホログラム(Hologram)だそうです。
英語サイトだとバイノーラル録音の一形態にすぎず、ringoと呼ばれる装置は単なるダミーヘッドマイクだとの意見もありました。
技術的なことはわかりませんが、とてもリアルなサウンドなのは確かです。床屋さんやマッチ箱を振る音が有名で、初めて聞いた時は本当にビックリしました。
ホロフォニクスのサンプル
こちらはhttp://www.holophonic.ch/のテスト音源です。音が上下左右に移動しているのを感じると思います。ヘッドフォンで聞いてください。
CDとかないの?
アルデバラン(ALDEBARAN)というホロフォニクスCDがありますが、現在は販売されていません。オークションなどで中古を入手することは可能です。
実際にホロフォニクスを聞いてみよう!
今度はサンプルではなく、実際に商業ベースで利用されている例を紹介したいと思います。ホロフォニクスを使ったアメリカのコマーシャルです。
AXE(アックス)という男性化粧品ブランドのCMです。日本でいうGATSBY(ギャツビー)みたいな感じだと思います。
AXE Binaural Audio – Tiger
静止画のようにみえるのは、目隠しされている設定のためです。AXEの文字も反転しています。他にTwister(竜巻)とBattle Royale(バトル・ロワイヤル)があるんですが、トラが1番ゾクゾクきます。髪の毛の匂いを嗅がれる場面は、途中でヘッドフォンを外したくなるくらいリアルです。
こちらは音声だけですが、Luxurious AnimalsでWEBコマーシャルのデモ版を視聴できます。
動画の最初に画像のマークが出てくるので、ホロフォニクスで間違いないでしょう。登場する女性たちも、「3Dホロフォニクスサウンドを体験するには、ヘッドフォンが必要よ。目を閉じるともっといいわ」と言っています。
その通りで、目を閉じて聞いていると臨場感が更にアップします。このCMはBBHニューヨーク広告代理店(制作会社はLuxurious Animals)が作成したもので、2010年5月に発表されました。
トラの音声はこのように収録されています。担当しているのは、Antfoodというサウンド制作会社です。ダミーヘッドもちらっと映っています。
まとめ。
ホロフォニクスはバイノーラルよりも、前後や上下の移動と音の距離感がハッキリと感じ取れる気がします。どの角度からも立体に見えるホログラムのように、どの角度からの音声も立体的に聞こえるんですかね。
今から30年以上も前に生まれた技術とはとても思えないです。当時の人達もホロフォニクスを聞いて、ASMRを体験していたのかもしれません。